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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第35章 #35 さようなら



「とにかくリリアを1人にしないようにしよう」
「あぁ…」
「少し休んで、それから生存者を探そう」

リヴァイは再びリリアのいる場所に戻ると、隣に腰を降ろした。
リリアはリヴァイを見ようともしない。頭を下げたまま、沈黙している。
ただ、柔らかい風が二人を撫でていた。

暫く続いた沈黙だったが、それを破ったのはリリアだった。


「……リヴァイ…」

泣きすぎてかすれたその声は痛々しい。

「リヴァイがお兄ちゃんを選ばなかった理由は……ちゃんと分かってるの……」
「………」
「分かってるんだけど……心が……ついて行かない」



寂しくて
寂しくて……


悲しくて
つらくて……

分かってはいるのに……



エルヴィンを再び悪魔と呼ばせたくなかったリヴァイ
このままずっと夢に囚われたまま苦しませるのはあまりにも惨い

それに引き換え自分の寂しさを埋めたいがために、エルヴィンの命を望んだリリア



自分は……
自分の事しか考えていなかった…



"テメェの寂しさを埋めるために、これ以上エルヴィンを苦しめんじゃねぇよ!!!!"



あぁ……
リヴァイの方が
自分よりもエルヴィンの事を思ってくれている


それなのに……
私は何を……


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