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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第35章 #35 さようなら



「嫌だよ!!置いてかないで!!置いてかないでよ!!私を一人にしないで!!」
「リリアっ!」
「リヴァイ!!!何で…何で!!!お兄ちゃんに打つって言ったじゃない!!」

「だったらテメェは良かったのか?エルヴィンがまた悪魔にされて苦しんでも!!」

リリアが目を見開く。

「大事な兄が!悪魔呼ばわりされて再び地獄に呼び戻してお前はいいのか!!今まで散々苦しめて…ようやく解放されたってのに、またエルヴィンを追い詰める気かよ?!」
「うっ…うっ……うぅ……」
「テメェの寂しさを埋めるために、これ以上エルヴィンを苦しめんじゃねぇ!!!!」

「やめろ!リヴァイ!!リリアだって分かってる!!」

ハンジがリリアを後ろから抱きしめた。
これ以上責めてはダメだ、壊れてしまう。


「うっ…う……くっ……嫌だ……嫌だ……お兄ちゃん……お兄ちゃん……」
「リリア……」
「嫌だぁぁぁぁぁ!!!お兄ちゃん!!!お兄ちゃん!!!」

リリアはハンジを振り切ってエルヴィンに抱きついた。
もう冷たく、動かないエルヴィンの体に。

「起きてぇ……お兄ちゃん……一人は嫌だ…嫌だよ……約束したでしょ…ずっと一緒にいてって……お兄ちゃん、いるよって…言ってくれたじゃない…」

リヴァイは顔をそらした。
とてもじゃない、まともに見れない。

「お兄ちゃん……お兄ちゃん……置いてかないで…ずっとずっと…一緒にいてよ…一人は嫌だ…」
「リリア……」

するとリリアがゆらりと立ち上がりリヴァイの方を向いた。

「……嘘つき……嘘つき…嘘つき!!!」
「……」
「お前なんか……お前なんか大嫌いだ!!!」

リリアがリヴァイに向かって走り出した。
武器は手元にないため拳を握り殴りかかる。ギリギリの所で避けていくリヴァイだがリリアは殴りかかるのを辞めない。

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