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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第34章 #34 決断



「ミカサっ!!私達にはエルヴィンがまだ必要なんだ!!あの壁の中で、希望の灯火を消してはならないんだよ!!」
「それはアルミンにだって…出来る!!」
「確かにアルミンは逸材だ!だがまだエルヴィンの経験と統率力がっ…!!」

止めようとするハンジにミカサは抵抗するがハンジはそれを振り切ると再びミカサを止めた。

「私にも生き返らせたい人がいる…。何百人も…」
「っ…!?」


調査兵団に入った時から
別れの日々なのだ


「でも分かっているだろう?誰にだっていつかは別れる日が来るって」



受け入れられない
つらい

正気を保つことさえままならない


「それでも前に進まなきゃいけない」

ミカサはゆっくり目を閉じると、力を抜いた。
リヴァイが立ち上がろうとするとエレンがリヴァイの足を掴んだ。

「兵長……海って…知って…ますか……いくら見渡しても地平線の果てまで続く…巨大な湖だって……アルミンが…」
「オイ!もうやめろよ!!」

フロックがエレンの手をリヴァイの足から引き離した。
しかしエレンはまだ呟き続ける。

「この壁の向こう側にある海を……いつか…見に行こうって……でもそんなガキの頃の夢、オレはとっくに忘れてて…母さんの仇と、巨人を殺す事と、何かを憎む事しか頭になくて。でもコイツは違うんです!アルミンは戦うだけじゃない、夢を見ている!!」

リヴァイは一瞬視線を下げると立ち上がり、声を上げた。

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