第34章 #34 決断
その時だ。
リヴァイは後ろからの気配を感じ、その場から離れた。
すると今まで姿を見せていなかった四足歩行の巨人が獣の巨人の中にいた男を連れて行ったのだ。
リヴァイは呆然とその姿を見ていた。取り逃がすわけにはいかないのに。
「オイ…どこに行く…止まれ………」
「お前ら!!アイツを殺せぇぇ!!」
男の声に反応した周りの巨人がリヴァイに向かってきた。
「いてぇ!!やりやがったな、リヴァイ!!あの囮のリリア!!!だが武器は使い果たした頃だろう。お前らはこれで全滅、かなり危なかったが我々の勝ちだ!!」
「待てよ……俺はアイツに誓ったんだ。必ずお前を殺すと……誓ったぁぁぁ!!」
リヴァイは最後の刃を使い、向かってくる巨人を倒した。
息を整え、四足歩行が走って行った方を見るが、もう姿は見えない。
舌を打ち、悔しい表情を浮かべたリヴァイだったが、ゆっくり辺りを見渡した。
周りには兵士達と馬の死体が転がっている。動いている者など見当たらない。
「……リリア」
リリアはどこまで飛ばされただろう。リヴァイは記憶を頼りに辺りを見渡しながら小走りにリリアを探した。
囮であるリリアが飛び出した少し後にリヴァイも飛び出したために、おそらくは全ての力がリリアにかかった状態ではないはず。
それでも自分よりも何十倍もの巨人の攻撃をくらったのだ。
ただではすまないだろう。
リヴァイは足を止めた。
その視線の先に、彼女はいた。
動いてはいない、身体もボロボロだ。しかも…
「……腕が……ねぇじゃねぇか……」