第34章 #34 決断
リヴァイはさらにアンカーを飛ばし、獣に近付く。
(うなじを!?)
うなじを狙われるかと手でする防いだ獣だったが、リヴァイは目を狙った。
目を潰された獣の視界は奪われ、何も見えない。
さらに降下しリヴァイは足を斬り刻む。立てなくなった獣の巨人は地面に倒れ込んだ。
「さっきは随分と楽しそうだったな!!」
上空から聞こえるリヴァイの声、今度は確実にうなじを狙ってきている。
獣は硬質化をして防ごうとするがリヴァイの速さに硬質化が間に合わない。
(ダメだ!間に合わない!!)
「もっと楽しんでくれよ!!!!」
リヴァイは防ごうとした獣の腕を斬ると、背中に飛び降りうなじを何度も何度も斬りつけた。
そして中の人間を取り出すように斬りつけると、中から男が引っ張り出されるように出てきた。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
リヴァイは振り向いた男の口の中に刃を差し込み、押し付けた。
「巨人化直後、身体を激しく損傷し、回復に手一杯のうちは巨人化出来ない。そうだったよなぁ?」
ガチガチと口に咥えられた刃が音を出す。
リヴァイがさらに刃を差し込み、ビシャと血が飛ぶ。
「ぐぅ……」
「オイ、返事しろよ。失礼な奴だな……」
リヴァイは直ぐに獣を殺さなかった。
誰か周りに生きている者がいれば、ケニーから渡されたあの注射で巨人にし、獣の巨人の力を奪えば生きられる。
誰か、一人だけ…生き返らせる事が…
リヴァイの脳裏に浮かんだのはエルヴィンだった。