第34章 #34 決断
『なっ!?』
リリアだった。
リリアは早目に馬から降り砂煙の中で息をひそめ、隙をついて獣の巨人の正面から飛び込み攻撃を仕掛けてきた。
『馬鹿だな!正面から来るなんて死にに来たもんだろ!』
来いっ!
私を狙え!!私を殺せ!!
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!」
『おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!』
獣の巨人がリリアに向かって手を振り上げた時、右側からも煙の中からアンカーが飛び出し、体に刺さった。
『っ!!?』
現れたのはリヴァイだ。
正面から飛び込んできたリリアに気を取られ、獣の巨人は右側から現れたリヴァイにすぐ反応出来なかった。
『何だとっ?!正面のは囮かっ!!』
獣の巨人は正面から攻撃してきたリリアに向かって手を振り上げた。
どちらかを先に片付けなければ防げない、獣はまずリリアに狙いを付けた。
振り上げた手がリリアの体に当たりリリアが吹き飛ぶ、おそらく威力は半端ないであろう。
今の攻撃で生きているか、死んでいるかは今は確かめようがない、リヴァイは歯を噛みしめた。
(頼む、生きていろよっ!!)
「うおぉぉぉぉぉ!!!!」
リヴァイは獣の巨人の腕を一瞬にして切り刻んだ。
その攻撃を受けた獣がある言葉を思い返す。
『え?二人の兵士に気を付けろって?』
それは戦う前にライナーが言っていた言葉だった。
『はい、リヴァイ兵長とリリア兵長は危険です。リリア兵長は女ですが、人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長が育てた兵士長です。あの二人が組んだらおそらく危ないかと』
(さっきのは女だった、あれがリリア?ならコイツがリヴァイか?)