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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第32章 #32 ウォール・マリア奪還作戦開始



少し時間が経過し音響弾が上がった。
その合図に敵を探していた兵士とエルヴィン、リリアがアルミンの元に集まった。

「アルレルト、見つけたのか?」
「まだです、全員で壁を調べて下さい!」
「壁はもう調べたと言ったろう?どこにも隠れられる場所は…」

壁は先程兵士達が調べ何もない事は分かっている。
しかしアルミンの言う壁を調べて欲しい、は違った。

「壁の中です!!」

皆が目を見開く。

「きっと人が長い間入っていられるだけの空間が何処かにある筈です!」
「何故それが分かる?!」

兵士の言葉にアルミンは言葉に詰まった。
根拠はない、何も。

「……勘です」
「お前…今がどういう時だか分かってるのか?!そんな事にかける時間はないんだ!!」
「しかし敵はっ!!いつだってあり得ない巨人の力を使って僕達を追い込んできました!!誰でも思いつく常識の範疇で留まっていては到底敵を上回る事は出来ないのです!!」

リリアがエルヴィンのマントを軽く引っ張り、視線を送る。
それを見たエルヴィンも視線だけをリリアに移し、そして再びアルミンを見つめた。


そして上げられたのは赤い信煙弾、作戦は中止だ。


「時に厳格に、時に柔軟に。兵士の原理原則に乗っとり最善を尽くせ。指揮系統を遵守せよ、我々は勝利するためにここに来たのだ」

皆がエルヴィンを見つめる。
アルミンは歯を噛みしめ、再び皆に指示を出した。

「再び二手に分かれ、壁面の調査を!!扉の上部から入念に捜索開始っ!!」
「りょ、了解っ!!!」

先程とは違う力強い指示、兵士達は再び走り出した。

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