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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第32章 #32 ウォール・マリア奪還作戦開始



アルミンは近くにいたエルヴィンに知らせるべく、手を上げた。
どこに潜んでいるか分からない彼らにバレないように。
エルヴィンとリリアがアルミンに近付き、指差された方を見る。


「これは……アルレルト、下を見てきてくれないか」
「分かりました」

アルミンは頷くと、壁の下に降りていった。
教えられた黒い跡を見ながらエルヴィンとリリアが呟く。

「これは焚き火の跡だね、近くにいるのかな…」
「どうだろうな…」

エルヴィンは眉をひそめ、その焚き火の跡をじっと見つめた。

その間も、エレン達は外門へと向かっていた。
敵はいない、作戦は続行出来ると判断したハンジが信煙弾を上げ、それを見たエレンは巨人化し、外門を硬質化で塞いだ。
門の封鎖を確認した兵が、成功の信煙弾を上げエルヴィンもそれを確認した。


「とりあえず外門は成功したみたい。でもおかしい…。襲ってくる気配がない。それどころかここに来て一匹も巨人が見当たらない。敵は私達の強襲に対応出来てないの?」

リリアがエルヴィンに問いかける。
あまりにこちらの作戦が上手くいっている事が逆に気持ち悪い。

「だといいが。アルレルトの発見からすると……」

すると下を確認してきたアルミンがエルヴィンとリリアの元へ戻ってきた。

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