第31章 #31 夢のため
「結構強いね」
「そうだな」
そう言いながらも水を飲むかの様に飲むリヴァイ。
反対にリリアは一口飲んではペロッと舌を出し、飲めない様だった。
「まだまだガキだな」
「強過ぎなの、このお酒が!こ、子供扱いしないでよ」
分かった、分かったと、リヴァイが再び頭を撫でる。
「だから!それも子供扱い!!」
「あ?子供扱いしてねぇよ」
リヴァイはリリアの手を引き抱き寄せた。
抵抗したところでリヴァイの力には敵わない、リリアは大人しくリヴァイの胸の中にスッポリと収まった。
「リヴァイ……もしかして酔ってる?」
「たった一杯で酔うかよ」
自分の胸の中にいるリリアをギュッと抱きしめるリヴァイ、最近は本当にリヴァイに抱きしめられてばかりだ。
しかしその温かさに心は落ち着く。
「あったかい……」
「生きてんだから当たり前だろ」
「……そうだね」
リヴァイは目を閉じた。
失いたくない、やっと気付いたのだからこの気持ちに。
例え自分の方を向いてくれなくても、リリアが生きていて笑っていてくれたらそれでいい。
笑顔の先が自分でなくてもいいから……どうか幸せに生きてほしい
そう願いを込めた夜だった。