第31章 #31 夢のため
「あーあ…ちょっと、ちょっと!!もうちょっと落ち着いて……」
「リリアー??逃がさないよ!!で??リヴァイとはどこまで……」
「もうっ!!いい加減に……!!」
「おい」
その一言と共に、殴り合っていたエレンとジャンが吹っ飛んだ。
シン、と辺りが静まり返る。立っていたのはリヴァイだった。
機嫌が悪そうな目付きで辺りを見渡している。
「お前ら全員はしゃぎ過ぎだ、もう寝ろ。あと掃除しろ」
「了解!!!」
リヴァイの一声で皆が一斉に片付けを始めた。
リリアがハンジを見ると机の上で潰れている。
はぁ、と安堵のため息をつくとリヴァイがリリアを見つけ、近付いた。
「おせーから来てみたら騒がしいにも程がある。テメェもさっさと振り切ってこいよ」
「だって……」
「行くぞ」
リヴァイは机に置かれていた飲み物を適当に取ると歩き出した。慌ててリリアも後ろを着いていく。
暗い路地裏、リヴァイはそこに腰を降ろした。
「ここで飲むの?」
「こういう狭い所が落ち着くんだよ。なんだコレ、酒か?」
適当に取ってきた飲み物はどうやらお酒だったようだ。
「お前、酒は大丈夫か?」
「……う、うん!ダイジョブ!」
リリアは自分の持っていたカップとリヴァイの持っているカップを軽く当てて、乾杯と小さな声で言った。
一口飲むと中身は結構強いお酒だった。これはハンジも酔う筈だ。