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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第31章 #31 夢のため



「まぁ、エルヴィンが無事に戻る事を祈ろう。リリア兵士長は貴重な戦力じゃ。正直失いたくはない。本当はお主だって大事な妹を死なせたくはないじゃろう?」
「それは勿論です。今話しているのは私が死んだ場合ですから。そういう可能性もあるという事だからリリアには託せない。リヴァイ、頼む」

一瞬、間を開けてリヴァイはエルヴィンを見た。
この事はこれ以上問い詰めても返答は同じだろう、この兄妹は普通とは違う。

「お前の夢ってのが叶ったら、その後はどうする」
「それは…分からない。叶えてみない事にはな」

「そうか、分かった。了解だ」

リヴァイは注射器の入った箱を手に取るとそれをポケットにしまった。
しかし機嫌は悪いまま。
エルヴィンが死んだらリリアも連れて行く、そんな事があっていいのか。


「うむ。ところで、そろそろ私の作品を披露したいのだが。考えてくれたか?」

一通りの話を終えたところで、ザックレーが皆に向かってそう言った。
何やら先日の拷問の際に使った器具を民衆に披露したいというのだ。
それがどんな物か分かっているピクシスとハンジは頭を抱えた。
勿論エルヴィンも知っているが敢えて反応はしない。

ザックレーの言う拷問器具はとても言葉に出すのも躊躇う程の下劣な物、とても民衆には見せられない。

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