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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



エルヴィンはリリアに優しく口付けた。そしてゆっくり離れるとギュッと力いっぱい彼女を抱きしめる。
それと同時にかなり大きく息を吐いた。

「はぁ……緊張した」
「えぇえ…?」
「心臓が弾けてしまいそうだよ」

顔を上げるとエルヴィンの顔は真っ赤になっていた。
それを見たリリアが笑い、頬にキスを返す。

「驚かせてすまなかった…。あんなに取り乱すなんて思っていなかった」
「早とちりした私がいけないんだよ、ごめんね」

エルヴィンはリリアに顔を近付けると優しく何度も口付けた。
啄むような口付けを何度も何度も。




暫くし、気持ちを落ち着かせた二人は再び向き合って話を始めた。
エルヴィンが言いたいのは、今言った事は二人がウォール・マリアから無事に帰還した後の話だ。
そうならなかった時の事も話しておかなければならない。


「一番は二人とも無事に戻る事だが、今の約束が叶わない状態になった時は申し訳ないがリリアには諦めてもらう、もしくは暫く我慢してもらう事になる」
「我慢?」
「ウォール・マリアの奪還に敗戦した場合は結婚は出来ない、我々は必ずシガンシナ区を取り戻すまでは諦めない。その時はリリアには悪いがこの約束は延期だ」
「そうだね、我慢!」

シガンシナ区を取り戻さなければ、エルヴィンの夢も叶わない、まずはそれが第一なのだ。
この事はリリアも自分の事よりも優先してほしい、エルヴィンの夢を叶える事がリリアの夢なのだから。


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