• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



「失礼します」
「あぁ」

エルヴィンはリリアをソファに座らせると、部屋の鍵を閉めて、自分も隣に座った。

「大事な話って?」
「もう聞くか?」
「……あんまり話しにくい事?」
「そんな事はないが、そうだな……俺としては話しにくいというか…」

リリアが不安そうな顔をしている。
それを見たエルヴィンは頭を優しく撫でた。

「今から話すのはウォール・マリア奪還後の話だ。もし、ウォール・マリアを奪還し、無事にシガンシナ区から帰還できたら、俺はお前をスミス家から外そうと思う」
「えっ……何?どういう事?」
「一度他人になる」

リリアの顔が真っ青になる。
エルヴィンの口から予想外の言葉が発せられたからだ。
もしかしたら良い話ではないのかもしれないと予想はしていたが、まさかそんな話だとは思いもしなかった。

「そ、それは私がお兄ちゃんとは家族じゃなくなるって事だよね?」
「そうだ。それから……」
「なんでそんな大事な事勝手に決めるの!!!」

リリアは大きな声で叫び立ち上がった。
目には涙を浮かべ今にも溢れ出しそうになっている。

「なんで?どうして外すの?!私がいらなくなったの?ちゃんと理解出来るように説明してよ!!」
「リリア、落ち着きなさい。座って」
「わ、私……何かしちゃったの?お兄ちゃんに捨てられちゃうような…」
「リリア、違うから。話を聞きなさい」
「やだ…やだやだ…やだよ…!!お兄ちゃん!私を捨てないで!!悪い事したなら直すから…!やだ……やだやだ…!!捨てないで…!一人にしないで…!!」

エルヴィンは慌てて立ち上がった。
動揺しすぎてリリアが過呼吸になってしまっている。
きちんと呼吸が出来ていない。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp