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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



「マルローー!!?」
「リリア兵士長!!私はマルロ・フロイデンベルクと申します!!以前から貴女にお会いしたく!!」
「やめろっ!!」

ジャンがマルロの頭を叩き上げる。

「お前っ!こんな所リヴァイ兵長に見られたら削がれるぞ?」
「何故っ?!」
「何故ってお前…リリア兵長はリヴァイ兵長の……」

「あなたの事は団長から伺いました。私に何か話があるのですか?」
「はいっ!!実は以前から貴女に憧れていて是非一度お会いしたく!!」

リリアがジッとマルロを見つめる。

「そうですか。でも私はあなたに憧れられるような人間ではないので。ですが……そうですね……ありがとうございます。そう言われるのは嬉しく思います」

言うとリリアはマルロから手を離し、深く一礼をしてその場から離れた。
リリアが見えなくなるまで見つめるマルロ、後ろからそれを冷めた目で見ているリヴァイ班のメンバーがいた。

「……リリア兵長…もしや脈アリ?」
「どこがだよ!!かなり距離がある話し方だったじゃねぇか!」

コニーが呆れたように言い放つがマルロは全く聞いていない。
するとアルミンが笑いながら口を開いた。

「リリア兵長って最初は絶対あんな感じだけど、何回か話すと凄くフレンドリーだよね。最初の無愛想は様子見なのかな…」

「じゃあ俺もいつかはフレンドリーに!!」
「……勝手に言ってろ」



食堂を出たリリアは小走りで兵舎内を走っていた。
他の兵士にもハンジの説明会を聞きに行くように伝えるためだ。
そんな一生懸命に働く姿を団長室の窓から見つめていたエルヴィン、柔らかく微笑むと机に向かい仕事を始めた。


そして約束の3日後の夜、リリアは緊張した面持ちでエルヴィンの部屋を訪れた。


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