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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



次の日、食堂で朝食を取っていたエレン達104期リヴァイ班の所にリリアが顔を出した。
その手には何やら紙の束を持っている。

「エレン、みんな見つけた」
「あ!おはようございます、リリア兵長」

「リリア兵士長ーーー!!!」

突然、エレンの前に座っていた青年が声を上げて立ち上がった。
黒い髪を真っ直ぐに切り揃えた真面目そうな青年、彼がエルヴィンが言っていたマルロだ。

「んだよ、マルロ。ビックリするだろ」

ジャンが耳を塞ぐ。
確かに相当声が大きく、周りの兵士達も何事かとこちらを見ている。
当の本人のリリアも驚き固まっていた。


「だ、だ、だってあの!リリア・スミス兵士長だぞ?短期間でリヴァイ兵長と同じ兵士長へ昇格し、エルヴィン団長を支える兵士!!しかもこの美しさ…!眩しい!!…編入式で会えなかったからもう機会はないと思っていたのに、こんな所で会えるなんて!!」

他の兵団に比べ調査兵団は人数が少ない、兵士長といえど小さな仕事も積極的にする。
だから新兵である104期のエレン達とも交流は多いし普通の事だが、元憲兵のマルロには上官と会う事など滅多にない事と、リリアに今ここで会えたのがかなり嬉しいようだ。

リリアはマルロに軽く頭を下げてエレンに紙を渡した。


「硬質化訓練の日程がちょっと変更になったから、渡しておくね」
「ありがとうございます」
「あと、みんなにもお知らせ。ハンジから新しい武器の説明がしたいから、今日のお昼講堂に集まって下さい、との事です」
「分かりました」

それじゃあ、とリリアがその場から離れようとするとマルロがリリアの手を取ってキラキラした瞳で見つめていた。

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