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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



暫くするとリヴァイの言った通りエルヴィンが部屋へ訪れた。
何やら編入式で新兵に囲まれたらしく対応が大変だったらしい。

「体調はもう大丈夫か?」
「うん、ありがとう。もう大丈夫、お兄ちゃんもお疲れ様」
「新兵達に囲まれてしまって……来るのが遅れてすまない」
「お兄ちゃんモテモテだー!」

オイオイと言いながらエルヴィンは疲れたように椅子に座った。
一緒に行っていればそれも自分が静止出来たのに申し訳ない、とリリアはお茶を淹れエルヴィンに出した。


「そう言えば一人、リリアに会えなくて残念がっていた新兵がいたな。名を…マルロだったかな?元憲兵の真面目そうな青年だった」
「マルロ……あぁ、リヴァイ達に手を貸した憲兵の一人だね。調査兵団に入ったんだ。私にって……私、何かしたのかな…」

出されたお茶を飲みながらエルヴィンはリリアをジッと見つめた。
それに気付いたリリアが首を傾げる。

「なぁに?」
「リリア、大事な話がしたいんだが…」
「うん」

お茶のカップを机に置くとエルヴィンは少し黙り込み、何かを考えるように視線を下に向けた。
エルヴィンが話し出すのを静かに待つリリア、するとエルヴィンは顔を上げ苦笑いをした。

「いや、今はやめておく。帰ったばかりだしリリアも疲れてるだろう?それに……」
「うん」
「まだ…俺の気持ちの準備が出来ていない」

エルヴィンが気持ちの準備をする程の大事な話なのだろう、少し不安を感じつつもリリアは分かったと頷いた。

「3日後に話す。今後に関わる話だから……ちゃんと時間を作りたい」
「ウォール・マリア奪還の事?」
「いや、その後の事だ」
「そう……分かった」


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