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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第28章 #28 戻りたくない



「このまま戻らずにお兄ちゃんと暮らしたい…調査兵団なんて辞めて静かに暮らしたい…!二人で幸せになりたい…」
「リリア……」
「うっうっ……ごめんなさい…私…もう裏切らないと約束したのに……団長の夢のために自分を使ってくれと言ったのに……こんな事考えてしまってごめんなさい…団長補佐失格です……申し訳ありません…エルヴィン団長…」



あぁ…俺は……
大事な人になんて選択をさせているのだろうか

幸せになりたい

そんな誰もが願う事を我慢させ
死に一番近い場所へ向かわせている

しかし……
すまないリリア

俺は
俺の夢を諦めるわけにはいかない
ここで歩みを止めるわけにはいかない

でも…
今だけは………




エルヴィンは膝を着きリリアを力一杯抱きしめた。

「すまないリリア……苦しめてしまって…」
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
「良いんだリリア」

泣きじゃくるリリアの頬に手を当て涙を指で拭き、笑ってみせるエルヴィン。
拭いても拭いても涙は止まらない。

「団長……だん…ちょ……ごめんなさ……」
「リリア」
「うぅぅ……団長……」
「名前で呼んでくれ、まだ家だ。二人しかいない」
「うっく……ぅう……エルヴィン……エルヴィン……」
「うん…うん…」

「大好き……」


エルヴィンはリリアにキスをした。
ゆっくり深く何度も。


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