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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第28章 #28 戻りたくない



「おや?エルヴィンかい?」
「……あ、はい」
「あらまぁ!!エルヴィン!帰ってきていたのかい?久しぶりだねぇ、活躍は聞いているよ!エルヴィン団長!!」

ありがとうございます、とエルヴィンは頭を下げた。
すると店主はリリアの方にも視線を向ける。

「この可愛らしい子は?」
「妹のリリアです。少し休みが取れたので家の片付けに二人で帰ってきたのです」
「あの泣き虫リリアちゃんかい?大きくなって!まぁ〜綺麗になったねぇ!」

リリアが頭を下げる。

「あんなに昔はお兄ちゃん、お兄ちゃんって泣いてたのにねぇ!しかしこう見てると兄妹というより恋人同士みたいだね、仲良く手も繋いで!」

するとリリアが慌ててエルヴィンから手を離し、その行動にエルヴィンが驚きリリアを見た。


「いえ、あの…これは……人が多くてはぐれてしまいそうだったので……私がつい兄に甘えてしまって…」
「この時間は結構多いからねぇ、迷子にならないようにね!」
「大丈夫です……」

店主は果物を袋に詰めると、それをエルヴィンに渡そうとしたがリリアが横から手を伸ばす。

「私が!兄は腕を怪我していますから!」
「あらあら、優しいねぇ」
「リリア?俺は大丈夫だ」
「いいの!私が持つ」
「オマケしといたよ!また戻ってきたら寄りなさいよ!」

ありがとう、とリリアは頭を下げ急ぎその場から去り、その後をエルヴィンが追った。


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