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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第1章 #01 就任



暫く二人は見つめ合っていたが、エルヴィンの方が最初に沈黙を破った。

「……で、リリア。いつまでコレをやれば良いのだろうか」
「ぶっ…!!」

リリアと呼ばれた彼女が噴き出し、エルヴィンもクツクツと笑い出した。
すると今まで強い眼差しをしていたリリアの表情が一変し、キラキラと輝く様な瞳と満面の笑みでエルヴィンを見つめた。


「団長就任おめでとうー!!!お兄ちゃん!!!」
「リリアこそ、兵士長昇格おめでとう」


ニッコリ笑ったリリアはエルヴィンに抱きつき、エルヴィンも笑顔でリリアを抱き返した。
そう、エルヴィンとリリア、二人は兄と妹。
エルヴィンは調査兵団の団長に、リリアも同じく調査兵団の兵士長にこの度任命され、今日からエルヴィンの補佐を務めることとなったのだ。

「兵士長になったら補佐をさせてくれるって約束覚えててくれたんだね!通達があった時には凄く嬉しかったよ」
「あぁ、その為に頑張っている姿を見ていたからな、よくやった」

頭を撫でるエルヴィンにリリアが満足気に笑う。
すると突然二人の後方から声が飛んできた。


「おい、そこのブラコン、シスコン」


冷ややかな声を後方から掛けられ、エルヴィンとリリアは同時に声の主の方を振り向いた。
そこに立っていたのは人類最強とも言われている調査兵団の一人、リヴァイ兵士長。
リヴァイは面倒くさそうに息を吐いた。

「ノックはしたぞ?」
「リヴァイどうした?」
「エルヴィンじゃなく、リリアに用だ。ハンジが呼んでいる」
「ハンジ?分かった」

じゃあね、とリリアは手を振り部屋を後にし、それを見送ったエルヴィンがリヴァイの方を向いた。


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