• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第1章 #01 就任



その日は雲一つない晴れた日だった。
開けた窓からは穏やかな風が入りカーテンを揺らす。そんな優しい風を背中に感じながら目を閉じ机に座っている男が一人。


"エルヴィン・スミスを調査兵団第13代団長に任命する"


男はゆっくり目を開けまっすぐに前を見据えた。
金の髪に青い瞳、その瞳は鋭く強い意思を感じられる程。
彼、エルヴィン・スミスはつい先日、調査兵団の団長に任命された。

今、人々が住んでいるこの場所には3つの大きな壁がそびえ立っている。
外側からウォール・マリア、ローゼ、シーナ、ウォール・マリアから外の世界は人を喰らう巨人が徘徊しており、調査兵団はその壁外に出て活動を行う者達だ。

その調査兵団の兵士達をまとめる団長にエルヴィンはなったのだ。
エルヴィンはゆっくり息を吐くと小さく呟いた。


「これから…これからだ」


その時だ。
コンコンとドアをノックする音が聞こえ、外から女性の声が掛けられた。

「エルヴィン団長、失礼します」
「あぁ、入っていい」

ドアが開き、入って来たのは若い女性、エルヴィン同様の金の髪と青い瞳、長く美しいその髪は後ろに編み込むように綺麗にまとめられていた。
顔立ちは美しく、すれ違えば振り向いてしまいそうな程。
その女性は強い眼差しで真っ直ぐにエルヴィンを見つめると口角を上げ、口を開いた。

「この度は団長就任おめでとうございます」
「あぁ、ありがとう」
「本日より、エルヴィン団長の補佐をすることとなりご挨拶に伺いました。これより私は貴方の剣となり盾となり貴方を支えて参ります」

そして彼女は拳を胸に当てエルヴィンに向かって敬礼をした。

「貴方に心臓を捧げます!!」

エルヴィンは立ち上がると彼女の前に立ち、同じく敬礼を返した。

「リリア兵士長、期待している」


/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp