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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第26章 #26 返事を聞かせて



「ありがとうございました、エルヴィン団長、リリア兵長」
「お幸せに」

エルヴィンが頭を下げると、行こうか、と促された。
リリアも花嫁と花婿に頭を下げエルヴィンの隣を歩く。

「お兄ちゃん見て?ブーケ可愛い」
「良かったな、次はリリアの番だな」
「それ何?さっきも言われた」

エルヴィンはリリアを見ると優しく微笑み、そして再び前を見た。

「ブーケトスを受け取った人が次に結婚をするというジンクスがある」
「え?そうなの?」
「ただのジンクスだがな、夢があっていいじゃないか」
「ふ〜ん」

クンっと花の香りを楽しむリリア。

「じゃあ次は私が結婚するんだ」
「ジンクスが当たればな」
「誰とかな」
「さぁ……良い人が貰ってくれると俺も安心だよ」

ピタリとリリアが足を止める。
それに気付いたエルヴィンも足を止め振り向くと、リリアは悲しげな表情をしていた。

「リリア?どうした?行くぞ」
「……そこは…お兄ちゃんは自分がって言ってくれないんだ」
「え…」
「私の事好きでも…やっぱり結婚までは考えないんだ」
「リリア……」
「何でもない、行こ?」

リリアは足を進めエルヴィンを抜いて先を歩き始めた。
後ろ姿をエルヴィンが見つめる。


どうして言えなかったのだろう、言いたかったが心のどこかに後ろめたさがある。
周りから見れば自分達は兄妹なのだ、結婚など出来るはずがない。

エルヴィンはため息をつくとリリアを追いかけ家へと戻った。

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