• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第26章 #26 返事を聞かせて



「わぁ……綺麗」
「本当だな」
「いいなぁ……」

ポツリと小さく呟いたその言葉をエルヴィンは聞き逃さなかった。
すると周りにいた住民の一人がエルヴィンとリリアに気が付き声をかけてきた。

「エルヴィン団長!リリア兵長!!良かったらお祝いを」

そう言われ二人は花びらを手渡された。これを花嫁と花婿に投げるらしい。
エルヴィンとリリアは顔を見合わせると柔らかく笑い、花嫁と花婿に向かって花びらを投げた。

「おめでとう!!」
「わぁ!お二人共、ありがとうございます!!」

二人は頭を下げてその場から離れようとしたが、花嫁がそれを止める。

「リリア兵長、待ってください!!」
「え?」
「ブーケトスするので是非!」
「ぶーけとす?」

言葉の意味が分からずにエルヴィンの方を見ると行っておいで、と背中を押された。
分からないまま前に出ると女の子達を前に花嫁がブーケを持って前に立ち、後ろを向くとその持っていたブーケを彼女達に向かって投げた。

リリアはただ棒立ちしたままその投げられた花の軌道を見ていたが、どうもそれは自分に向かって飛んできている。
慌てて手を伸ばすとそのブーケを受け取った。
その瞬間に周りの女の子達から歓声が上がる。

「わぁぁ!!リリア兵長、やりましたね!」
「おめでとうございます!!」

リリアの頭上にハテナマークが浮かぶ。
何故自分が祝われているのか意味が分からない。

「え?あ……え?」
「次は兵長ですねー!!」
(な、何が……?)

しかし花が好きなリリアはブーケを受け取ったのは嬉しかった。
色々な色の小さな花がたくさんまとめられた可愛らしいブーケだ。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp