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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第26章 #26 返事を聞かせて



「リリア、今日はこの後予定はあるか?」

団長室でエルヴィンの書類の確認の手伝いをしていたリリア、山積みになった書類に印鑑を押しながらエルヴィンが声をかけた。

「予定?エレンの硬質化訓練があるけど、それが終わったらもうないよ」
「ならそれが終わったら家に帰らないか?取りに戻りたい資料があるんだ。それに、ウォール・マリア奪還前に一度戻りたかったんだ。俺たちの家に」

リリアは微笑んだ。
エルヴィンが調査兵団に入団してから殆ど彼は家に戻っていない。
年に数回リリアだけが戻り、家の掃除をするくらい。
なかなか二人で過ごす時間はなかったが、二人が過ごした大事な家だ。

「うん、帰ろう。ついでに掃除もしてこよう。次に帰るのはいつか分からないもんね」
「そうだな。では訓練終了後、兵舎前に」
「了解です!」



エレンの硬質化訓練が終わりリリアが兵舎前へ向かうと、そこにはすでにエルヴィンが待っていた。
リリアは早目に行動するタイプだが、さすがはエルヴィン、相手を待たせる事は絶対にしない。

「団長、お待たせしました!」
「あぁ、では行こうか」
「早く来たつもりだったのにな」
「俺は待たせないよ」


家へと帰る途中、街を通ると人が集まり賑やかな家があった。
家の前には花嫁と花婿の姿、どうやら結婚式をしていたようだ。
集まった人々がお祝いの言葉を伝えている。
リリアが足を止め、その二人を見つめていた。

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