第4章 #04 本当の性格
旧調査兵団本部、もう辺りは暗く虫の声しか聞こえない。
リヴァイ班は広間に集まり、皆で休息前のお茶を嗜んでいた。
今後の壁外遠征の事、エレンの巨人化の事を話している最中だった。
外からガタンガタンッという物音がし、皆が警戒し黙る。
そしてダダダンッとドアを叩く音がした。
「あけっ!!開けてー!!」
「えっ?その声は……」
声の主に気付いたペトラが慌てて鍵を開けると、慌てた様子でリリアが飛び込んできたのだ。
リヴァイ以外の皆が目を見開く。
「リリア兵長?!」
「どうしたリリア」
「き、奇行種に捕まるところだった…」
「奇行種?!」
ここに来る途中に奇行種に遭遇したと言うのか。
するとリヴァイは、あぁ、と理解したように一言だけ呟くと紅茶を口に含んだ。
「リリア兵長、こちらに」
ペトラが奥から椅子を持ってきて勧めると、ありがとう、とリリアは用意された椅子に腰掛けた。
「リヴァイ班のみんなに挨拶をしにきたよ。リヴァイがいない時や団長の指示があった時は私もこの班につく事があるから、よろしくね」
そして一人ひとりの顔を見ていく。
リリアと目が合うたびに肩が上がった。
普段の彼女の目付きの鋭さを知っているからだ。
しかし今の彼女の視線は全くもって鋭くなく、むしろとても優しい。