第25章 #25 二人の休日
「なぁ、切り裂きケニーを覚えてるか?」
「うん?中央憲兵の?リヴァイと私が必死に逃げたあの人でしょ?報告書ではロッド・レイスから巨人化する注射を盗み出してて死んだって。リヴァイが看取ったんだよね?」
「あぁ」
再び沈黙が訪れた。
自分から切り出したものの少し言いにくいのだろうか。
リリアはリヴァイが話すまで待った。
「……俺はガキの頃アイツと暮らしていた」
「言ってたね」
「エレンとヒストリアの居場所を憲兵から聞く際、アイツの名前を聞いた」
「ん?」
「奴の名前はケニー・アッカーマンらしい」
「アッカーマン……ミカサと同じだね。同じ一族って事?」
アッカーマン一族は人並外れた高い戦闘力をもつ一族と言われている。
そのためミカサの戦闘力はかなり高い、確かにあのケニーもかなり戦闘に長けていた。それはアッカーマン一族だからなのだろう。
それが一体どうしたのだろうか。
「ケニーは……俺の母さんの兄だった」
「え……?」
「この年になってようやく自分の姓が判明した」
「リヴァイ……アッカーマン」
リヴァイが人並外れた戦闘力で人類最強だと言われる理由が今ここで分かった。
それよりも、小さな頃共に暮らしていた男が自分の叔父でリヴァイにとっては唯一の家族で……そんな人と再会し、戦い、失い、今彼の気持ちはどんなだろう。
「寂しいね……」
「別に?」
しかしリヴァイは少し考えると空を見上げた。
「あー……そうだな。お前の言葉で言ったらそうなるのかもな。分からねぇ」
するとリリアがリヴァイの真隣に座り直しニコッとリヴァイを見た。