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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第25章 #25 二人の休日



二人は店から出ると市場で軽く食べられる昼食を買った。
ここから少し離れた場所にある小さな川が流れている所があり、そこで食べようという事になった。

空は晴れており日差しが眩しい、川の近くの木の下までリリアは小走りし、リヴァイはそれを後ろからゆっくり歩き見ていた。
まるではしゃぐ子供だ。


「リヴァイー!ここにしよ!私ね、シート持ってきた!!」

じゃん、と両手で広げたシートをリヴァイに見せる。

「まるでハイキングだな」
「あはは!だね!」

木の下にシートを引きリヴァイを座らせると、リリアは買った昼食と飲み物を手渡した。
パンに野菜と卵が挟んである軽い食事だが、軍用食に比べたらはるかに美味しい贅沢な食事だ。

「たまには奮発しないとね!頂きます!」

リリアが美味しそうにパンにかぶりつく。そんなリリアを見ながらリヴァイは笑った。

「ん?なに?」
「いや、うまそうに食べるな、と思って」
「だって美味しいよ?」
「焦って食うな」

リリアの口元に付いたソースをリヴァイが指で取るとペロリと舐めた。

「あっ…」
「あ?」
「……何でもない」

ごく自然にしたその行動に、リリアは少し照れた。
リヴァイは潔癖なところがある、そんな彼がする行動とは思えなかったからだ。

「悪くねぇ」
「でしょ?美味しいね」


昼食を終えると二人は静かに川の流れを見つめていた。
特に何かを話すわけでもなく暫く川を見ていたがリヴァイの方からその沈黙を破った。

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