第25章 #25 二人の休日
店主に礼を言い店を出ると急にリリアが足を止めた。
「リリアどうした?」
「リヴァイ…お手洗い…」
「行ってこいよ。待ってる」
急いでリリアが店内に戻るとそれに気付いた店主が振り向く。
リリアは何やら慌てて何かを探しているようだ。
「お嬢さんどうした?忘れ物か?」
「あの!いつもリヴァイが買ってるクラバットどれですか?私からも買いたくて。でも内緒で……!」
「よっしゃ分かった!すぐ包む、ちょっと待ってな」
包装を待つ間リリアはリヴァイにバレないかとハラハラしながら窓からチラリと彼の様子を伺っていた。
それを見ながら店主は笑う。
「大丈夫だ。適当な理由でリヴァイは納得するから便所の鍵が開かなかったとでも言っとけ」
「は、はい!」
包装が終わったクラバットを店主はリリアに手渡した。
ありがとう、と礼を言いながらリリアがお金を支払うと店主がリリアをジッと見つめる。
首を傾げるリリアに店主は笑った。
「いやいや、悪いな!お嬢さんリヴァイとずっと仲良くしてやってくれ」
「はい!大事な仲間ですから!」
頭を下げて店を出たリリアはリヴァイと共に再び人混みの中に戻り、店主は二人が見えなくなるまで店内から見送った。
「また二人で来いよな。何だ?次は結婚報告か?」
ガハハ、と大きな声で笑いながら店主は仕事へ戻っていった。