第24章 #24 大事な兄ふたり
調査兵団支部内、ハンジが窓から何かを発見し隣で書類を書いているリヴァイの体を突いた。
「おぉー!あらまぁ!!リヴァイ見て見て、アレ!」
「あぁ?」
見るとリリアがエルヴィンとナイルの二人と手を繋ぎながら歩く姿が見えた。
エルヴィンは分かるが、何故憲兵のナイルがここにいるのか意味が分からない。
「何だありゃ」
「すんごい光景だね、おーい!!リリア!!」
ハンジが手を振りながら声を掛ける。
「ハンジ、リヴァイ見てー!!両手に花!!」
「……花じゃねぇだろ…どう見ても団長達に連行されてるじゃねぇか」
呆れたようにリヴァイが呟くとハンジが腹を抱えて笑い出した。
「ぶぁっははは!!!連行!!」
リリアは二人を見上げた。
「酷い言われようだ」
「ふふふ」
「見送るつもりが調査兵団支部まで来てしまったな…」
話が盛り上がり、気付けばここまで来てしまったナイル。
途中ですれ違う兵士達が目を見開き若干引いていた感じがしたが、恐らくはリヴァイの言う通りに見えたのだろうか。
リリアは申し訳なさそうに苦笑いをした。
「ごめんね、送る?」
「いいよ、大丈夫。楽しかったよ」
ナイルはリリアの頭をポンポンと叩くと、また、と手を上げて憲兵支部に戻っていった。
見送りながらエルヴィンが口を開く。
「リリア」
「なぁに?」
「俺は……ナイルに頭が上がらない。自分が調査兵団に入ってから実質リリアの面倒を見たのはナイルとマリーだ。俺はお前を傷付けたり悲しませてばかり……兄失格だな」
「そんな事ないよ!だってお兄ちゃんの存在があったからこそ、私は生きようと思ったし強くなろうとも思った。お兄ちゃんがお兄ちゃんだから!………って意味不明なんだけど伝わる?」
ふふ、とエルヴィンが笑いリリアの頭を撫でる。
「伝わる」
「よしっ!」
するとエルヴィンがリリアの肩を抱きグッと引き寄せ、耳元で小さく小さく呟いた。