第24章 #24 大事な兄ふたり
「お兄ちゃん、ここ立って!」
「ん?」
「ナイル兄ちゃんはお兄ちゃんの左側に立って!」
エルヴィンの左隣にナイルを並ばせるリリア、二人は意味が分からずただただリリアの言う通りに立っていた。
するとリリアは後ろに回り込み、割って入るように二人の間に飛び込むと彼らの腕にギュッとしがみ付き二人を交互に見上げた。
「二人共、私の大事なお兄ちゃんだよ?二人がいたから今の私があるの、ありがとう!大好きよ?」
目を丸くしエルヴィンとナイルは視線を合わせた。
時間差で何故か可笑しくなり笑いが込み上げてくる。
「まったく…リリアちゃんには敵わないな」
「リリア、俺の方が好きだろ?」
「オイ!お前はなんでそうマウント取ろうとするんだよ」
「うるさい。兄の俺がお前より好かれてなくてたまるか」
言い合いは止まらないが内容は他愛もないもの、先程までのギスギスした雰囲気は全く無い。リリアは笑いながら二人のやり取りを聞いていた。