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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第24章 #24 大事な兄ふたり



「何か飲むか?」
「ううん、すぐ帰るから大丈夫。ありがとう」
「怪我はどうだ?」
「もう大丈夫!腕もね、ホラ!」

グルグルと左腕を回してみせる、もうしっかりと治ったようだ。
ナイルは安堵の息を吐いた。
親しい者のあんな姿を見るのはツライ。

「もうあまり無理はしないでくれよ。エルヴィンは……まぁともかく、リリアちゃんがあんな姿になるのは胸が痛むよ」
「ともかく……でも今回はお兄ちゃんと覚悟の上の行動だったからね。生きてただけで運が良かったかも。でもナイル兄ちゃんには心配かけちゃったよね、ごめんね」

もういいよ、とナイルは柔らかく笑った。


暫くリリアはナイルと話をし時間を過ごした。
すぐに帰るつもりだったが、久し振りの長い時間の会話につい盛り上がってしまい気付けばかなりの時間が経過していた。

「あ、そろそろ帰らないと。ごめんね、急に押しかけちゃって」
「大丈夫だよ、ワインありがとうな。そこまで見送る」
「いいってば!忙しいでしょ?」
「いいから!俺が送りたいんだ」

二人で部屋を出ると思い出したかのようにナイルがリリアを止めた。
一度部屋へと戻り小さな小箱を手に取り、それをリリアに差し出す。

「これ、内地で結構流行ってるらしい砂糖菓子、リリアちゃん好きだろ?」
「え?いいの?」
「いいよ、貰った物で申し訳ないが俺は食べないから」
「わあぁぁ!ありがとう!!」

嬉しそうに笑うリリア、ナイルがリリアの頭を撫でようと手を前に出したその時だった。
ナイルの後ろからフッと大きな男が現れ、彼の耳元で囁いた。

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