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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第24章 #24 大事な兄ふたり



リリアはお土産のワインを持ち、憲兵団支部へと向かった。
通り過ぎる憲兵が何人もリリアを振り返る、何故調査兵がこんな所にいるのだろうか、と。
痛いくらいの視線を向けられながらリリアは団長室へと足を進めた。




コンコンとドアを叩く音がし、ナイルは顔を上げる。

「なんだ」
「こんにちはナイル師団長、リリアです」
「はっ?!リリアちゃん?!すぐ開ける!」

まったくの予想外の来客にナイルは慌てて机の上に散らばった書類を端に避け、ドアに向かい開けた。

「どうしたんだ?驚いたぞ。とにかく入って」
「いきなりごめんね、渡したい物があって。すぐに帰るからここでいいよ」
「いいから入って。せっかく来たんだからゆっくりして行くといいよ」

そう?とリリアはナイルの言葉に甘え部屋へと入った。
そして持っていたワインの袋をナイルに差し出す。

「これ、今まで心配かけちゃったお詫びとお礼」
「えぇ?」
「ワイン好き?」
「あぁ、いいのか?」

どうぞ、と言われナイルは袋を受け取った。
何だか少し高そうな良いワインだが、無理をさせたのではないだろうかと心配がよぎったがリリアの気持ちが凄く嬉しい。
ナイルはリリアの頭を優しく撫でた。

「ありがとう。美味しく飲ませてもらうよ」
「うん!」

椅子をすすめられ、リリアはありがとうと腰を下ろした。


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