第23章 #23 誤魔化せない想い
リヴァイ班の皆と別れ、リヴァイとリリアは調査兵団の兵舎へと帰っていた。
その途中でリヴァイが足を止めてポケットからスカーフを取り出す。
「あっ!それ!!なくなったから探してたの。拾ってくれたんだね、ありがとう」
「流石にこれはもう使えねぇだろ。捨てろよ」
「ダメ!!これは私の大事な物だから!!」
リリアがスカーフを受け取りポケットにしまう。
こんなにも自分のあげたものを大事にしていてくれる事にリヴァイは嬉しかった。
千切れ、黒く汚れ、もう絶対に使い物にならないのに。
「新しいの買いに行くか」
「えっ?」
「そんなに大事にするのは嬉しいが、使えなきゃ意味ねぇだろ。今度新しいの買ってやるよ」
「ホント?」
「あぁ。暇な日が出来たら教えろ。休暇を合わせて取るから買いに行くぞ」
リリアの目が輝いた。一緒に連れて行ってくれるようだ。
「ありがとう、やった!」
本当に嬉しそうに笑うリリアにリヴァイの胸がギュッと締め付けられる。
やっと彼女の心からの笑顔が見れた気がした。
そして今回のことで確信した。
どこかで他人に特別な感情を持つ事など認めたくない所があった、リリアの事に関しても仲間という意識の少し上くらいなのだと自分に言い聞かせていた。
しかしもう自分さえも誤魔化せない所まで来ている。
(俺は……リリアが好きだ)
ただ、この想いは伝えてはならない。
リリアの想い人は
他にいるのだから………