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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第23章 #23 誤魔化せない想い



「リヴァイ……」
「どうした?」
「………みんなが見てる」

「あ"ぁ?」

いつもの鋭い目つきに戻ると、リヴァイはリリアから離れゆっくりと振り向いた。
そこには二人のやり取りに遭遇し、どう対応していいのか分からない104期のリヴァイ班の全員がいた。


「テメェら……見せもんじゃねぇぞ」
「ひっ……ひぃぃぃぃ!!!」
「どこから見ていた」
「あの、あの……拒絶するなよ、傷付くだろ…辺りからです」

コニーが正直に答えリリアがブッと噴き出して笑った。苦虫を潰したような顔をしたリヴァイが、リリアに振り向く。

「笑い事じゃねぇ」
「あっははは!!ぶっふ……それで…皆んなはどうしたの?揃って」

中には王になった筈のヒストリアまでいる。本来ならもうここに居てはいけない存在だ。

皆は思い出したかのようにヒストリアを見た。するとヒストリアは拳を握り、肩で大きく息をし、声を上げて気合いを入れリヴァイに向かって走り出し、拳をぶつけた。
ボスっとリヴァイの腕にパンチが当たる。

全然ダメージは入っていないが。

その行動にリヴァイ班の全員が歓喜の声を上げた。
ついに、あの、あのリヴァイに拳を当てたのだ。


「うおぉぉぉぉおぉおぉ!!!!」
「あはははっ!!どうだっ!!私は女王様だぞ!!文句があれば…」

「ふっ」

リヴァイが笑い、その瞬間に皆が固まった。

「っ?!」

その表情は今までに皆が見た事がない、リヴァイの嬉しそうな表情だった。


「お前ら、ありがとうな」


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