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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第23章 #23 誤魔化せない想い



「リヴァイから聞いたと思うが、ヒストリア。ここをしのいだ暁には君にはこの壁の世界を治める女王となってもらう。当然、こんな前線に居てもらっては困る」

ヒストリアはゆっくり立ち上がりエルヴィンを見上げた。

「私には疑問です。民衆とは名ばかりの王に靡く程、純朴なのでしょうか」
「何か考えがあると?」

「私が巨人にトドメを刺した事にして下さい!そうすればこの壁の急進力となって情勢は固まる筈です!!」
「君の考えは理解したが、戦闘への参加は許可出来ない」

さらにヒストリアは続ける。ここで押さなければエルヴィンからの許可は絶対に下りない。頑張れ、とリリアも拳を握った。

「団長!どうか!!私は自分の果たす使命を自分で見つけました!!その為に今ここにいます!!」

強い眼差しを向けるヒストリア、エルヴィンはその瞳を見つめ小さく息を吐いた。


「……まぁ、もっとも、私のこの身体では君を止める事は出来ないだろうな」

リリアは笑った。そして自分も立ち上がるとヒストリアを見た。

「止められないから、ヒストリアが行っちゃったらどうしようも出来ないってさ!」
「リリア……」

「ヒストリア頑張れ!自分自身の力で親子喧嘩を終わらせておいで」
「リリア兵長………はいっ!!」

安堵の表情を見せたヒストリアは二人に向かって頭を下げた。
エルヴィンがため息をつきとリリアを見る。
そもそも今まで一緒にいる事が少なかったリリアとヒストリアが共にいる時点で何かあると思う事が正解だ。

「入れ知恵をしたのはリリアか」
「入れ知恵とは嫌な言い方だなぁ。アドバイスしただけだよ?でもきっとあのヒストリアの決意を聞いたら、団長は許可してくれると思ったよ」

軽く笑ってエルヴィンはリリアの頭を小突いた。

「団長、お願いしたのは私です!リリア兵長を責めないであげて下さい」
「大丈夫だ。だがヒストリア、やると決めたならやり通しなさい」
「はいっ!!」
「ヒストリア頑張って!!」

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