第23章 #23 誤魔化せない想い
かなり近付いてきたロッド・レイス巨人に壁上固定砲と地上の大砲が当てられる。
しかしどちらの攻撃も大してダメージは与えられていない。
「地上の大砲はさらに効果が薄いようだ」
「当たり前だ。壁上からの射角にしたって大してうなじに当たってねぇじゃねえか。どうなってる」
エルヴィンの言葉にリヴァイが返す。
「寄せ集めの兵士、かき集めた大砲、付け焼き刃の組織、加えここは北側の内地だ。最前線の兵団のように実戦を踏んでいる訳じゃない。だが今ある最高の戦力である事に違いない」
しかしこれでは討伐は無理だ。
「そりゃ重々承知している。なんせ今回も俺ら調査兵団の作戦は博打しかねぇからな。お前の思い付くものは全てそれだ」
その時だ。遠くからハンジが走って皆の元へやってきた。
火薬とロープ、ネットをたくさん持って。
「エルヴィーン!!持ってきたよ!!ありったけの火薬とロープとネット、まだ組み立てなきゃいけない。あぁ、あとこれ!向こう側にも同じ物がもう一つ!一回打てば引き金が固定され、立体機動装置と同様に巻き取り続ける!で、砲撃はどうなの?」
「セミの小便よりは効いているようだ」
「じゃあ本当にコレ、使うの?」
どうやらハンジの持ってきた物で特大の爆薬を作るようだ。
昨夜リリアがヒストリアに言っていた通り、火薬を巨人の中に入れ爆破、それにより小さくなった体を討伐する作戦だ。
エルヴィンはリヴァイ、ジャン、サシャ、コニーを1グループにし、爆薬を作る指示を出した。
リリアはヒストリアの腕を引くと、エレン達の所で作業しようと彼女を引っ張った。
それを見たエルヴィンがヒストリアの元へ近付く。
リリアの予想通りの展開だ。これでエルヴィンを説得させれば成功だ。
ヒストリアはリリアを見て頷いた。まずはヒストリア自身でエルヴィンの説得を試みる。