第22章 #22 素直になれない
「さっき言っただろう。身近な人間からあぁいう事をされるのが嫌だと。今のリリアにとってお前は身近で、大事な人なんだ」
「………」
「リヴァイも嫌だろう。このままリリアに距離を取られるのは。ちゃんと二人で話せ」
リヴァイはエルヴィンを見た。
エルヴィンはリリアの事を特別に想っているはずだ、なのに何故こうもリヴァイとリリアを和解させようとする。
距離が離れた方がエルヴィン的にはいいのではないのか。
「テメェは…いいのかよ」
「何がだ?」
「テメェは俺が……リリアを……」
言葉を飲んだ。
言えない……一番言ってはいけない相手なような気がする。
「構わないよ。リリアは俺の方が好きだから」
「………クソが…いっそ嫌われろ!!シスコン野郎!」
そう吐き捨てリヴァイは部屋を出た。
エルヴィンは苦笑いをして深く息を吐くと椅子に座り天井を見上げた。
「渡したくないよ。ただリリアの泣き顔を見るのは嫌なんだ。何よりもね」