第22章 #22 素直になれない
「リヴァイ、説明してもらおうか。どうしてリリアにあんな態度をとった。あの子が昔虐待されていたのをお前は知っているだろう?身近な人間から、ああいう言葉や態度をとられるのが一番つらいんだ」
「……分からねぇんだよ。アイツの事が心配で不安だったのに、いざ再会したら……どう接したらいいのか分からなくなった」
「だからと言って、あれは酷すぎるだろう」
「……悪い…」
「俺に謝るな」
エルヴィンは深く息を吐くと、リヴァイを睨んだ。
「今度リリアを泣かせたら、覚悟してもらう」
「………」
「少し素直になったらどうだ?早くしないと俺が本当に貰うぞ」
目を見開いてリヴァイがエルヴィンを見るがすぐに逸らしてしまう。
「うるせぇ……」
沈黙が続くがリヴァイがゆっくり口を開いた。
「何で…」
「何?」
「昔、酷く罵倒したり…時には手を上げた時もあった……あの時は別にアイツはあれ程傷付く事はなかった」
「だから今も酷い事を言っても大丈夫だと思ったのか?」
「違うっ!!そうじゃねぇよ!!」
はぁ、とエルヴィンが大きくため息をつく。
昔、リリアはリヴァイに兵士長になるために個別の訓練を頼んでいた時があった。
当時二人は今のように親しくなく、どちらかといえば嫌いあっていた。
その時にリヴァイはかなり酷い言葉を言った事もある、今では信じられないが蹴ったり叩いたりはしょっちゅうだった。
だが今のようにリヴァイの前で泣いたりはしていない。