第22章 #22 素直になれない
「ごめんなさい…ごめんなさい……」
「頼むから…早くどっか行け」
「リヴァイ……!怒らないで……ごめんなさい…ごめんなさい……ごめ……」
リリアが言いかけたその時、リリアを庇うようにエルヴィンが後ろから彼女を抱きしめてリヴァイを睨み付けた。
「リヴァイ、どういうつもりだ」
「……」
「リヴァイ!!」
「早く連れて行け!!目障りだっつってんだろ!!」
エルヴィンは片手でリリアを抱き上げるとリヴァイを見た。
「後で来い。いいな」
その場に立ち尽くしたリヴァイは歯を噛みしめた。
どうしてこんな酷い事をしてしまったのか、自分でも分からなかった。
リリアの泣き顔が頭から離れない、泣かせたい訳じゃなかった、ただ自分のリリアに対する気持ちが分からなくて頭が混乱していた。
するとリヴァイの足元に破れて汚れたスカーフが引っかかった。
これはリヴァイがリリアにあげたスカーフだ。こんなにボロボロになってまで、リリアは大事にスカーフを持っていた。
リヴァイはそれを拾い上げると力一杯握りしめ、目を閉じた。
傷付けた…そんなつもりはなくても彼女を…
心も体も傷付けてしまった……