• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第22章 #22 素直になれない



ヒストリアと明日の早朝に再び会う事を約束し、リリアは兵団支部内を歩いていた。
もう夜も遅いのだが明日の夜明けと共に作戦を開始するため、バタバタと兵士達が行き交い準備が行われている。
そんな中、リリアはリヴァイの姿を見つけた。
帰ってきてからまだ全然話していない、リリアは小走りでリヴァイを追いかけた。

「リヴァイ!」

声をかけたが、聞こえていないのかリヴァイの足は止まらない。振り向きもせずに前へ進んでいく。
リリアも追いかけ、再び声をかけた。

「リヴァイ!ねぇ、リヴァイってば!!」

建物の間の少し開けた場所に入り、ようやくリヴァイが足を止めた。しかし何故か振り向かない。

「リヴァイ、帰ってきてから話せなかったね。お帰りなさい!エレンとヒストリアを無事に連れて帰ってきてくれてありがとう。怪我は大丈夫?疲れてない?」
「怪我も問題ねぇし、疲れももうない。テメェは早く戻って寝ろ」

やはりリヴァイは振り向かない。
口調も何故か怒っているように感じる。一体どうしたのだろうか。

「リヴァイ?」

リリアがリヴァイの服を少し引っ張るとその手を払い除けて鋭い瞳で振り向いた。
突然の事に理解が出来ずリリアは固まる。

「触るな、俺に近付くな」
「なんで?」
「目障りなんだよ!!俺の視界に入るなっ!」
「わ、私何かした?リヴァイの気に触る事……ごめんなさい…何か無意識にしてた?」
「いいから行け!」
「リヴァイっ」

今にも泣きそうな顔をして両手を伸ばしてきたリリアの左腕をリヴァイは思いっきり引っ張り上にあげた。
同時にリリアの左肩に激痛が走る。

「いっ!!!いたっ!痛いぃ!!!痛い!!」

リヴァイが手を力強く払う。
その顔に余裕がない。
リヴァイを見つめるリリアの目からはボロボロと涙が出ていた。


痛みからなのか、彼のその態度が悲しかったのか。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp