第22章 #22 素直になれない
ウォール・シーナから離れ、レイス領へ向かう途中でエルヴィン達調査兵団はとんでもないものを目にした。
とてつもなく大きな巨人が地面を這いながら向かってきているではないか。
調査兵達が巨人に近付こうとするが、巨人の発する熱が高温すぎて近付けない。周りの木々さえも燃やし進んでいる。
「ダメだ、近付くな!燃えちまうぞ」
「団長、コイツを止めるのは無理です。奇行種のようで我々には目もくれません」
「もういい、離れろ。巨人の進行方向を正確に割り出せたらそれでいい」
エルヴィンは巨人の進行方向を見た。この巨人が向かっているのは何処だ。
その時だ、兵士が慌てた様子でエルヴィンに駆け寄った。
「エルヴィン団長!!リヴァイ班が!!!エレンとヒストリアの奪還に成功したそうです!!」
「っ?!」
ついにエレンとヒストリアを奪還したリヴァイ班と、エルヴィンがようやく合流した。
エレンとヒストリアも怪我はなさそうだが、ハンジだけ負傷したらしい。しかし意識はあり無事を確認できた。
「皆、良くやってくれた」
「報告する事はごまんとあるが、まず……」
「あの巨人は?」
「ロッド・レイスだ」
リヴァイの言葉にエルヴィンが目を見開いた。
何故こんな事になってしまったのか気になる所だが、今はこの巨人をどうにかするのが先決だ。