第3章 #03 エレンの審議
と、その時だ。
ドアが開きエルヴィンとリヴァイ、その後ろにはエレン、そしてハンジとミケが入ってきた。
どうやら審議が終わったようだが、やはりエレンは傷だらけでボロボロだ。
「だ、大丈夫?」
「えっ?あ、はい」
リリアはエレンの手を掴み椅子に座らせると救急箱から傷薬を取り出しエレンを介抱し始めた。
「だ、大丈夫です。すぐ治りますから」
「治るまではちゃんと消毒しよう?ね?」
自分の事のように痛そうな表情をしているリリアを見て、はい、とエレンは大人しく治療を受けた。
「まったく酷いね、ホントに。痛いだろう?」
ハンジがエレンに話しかけると、彼は少しだけと答えた。
するとエルヴィンがエレンの前に膝をつく。
「すまなかった。しかしおかげで我々に君を託してもらう事が出来た。効果的なタイミングで用意したカードを切れたのもその痛みあってのものだ。君に敬意を」
差し出された手にエレンが目を見開く。
向けられたエルヴィンのその目はとても柔らかいものだった。
「エレン、これからもよろしくな」
「はいっ!よろしくお願いします!!」
するとリヴァイがエレンの隣に勢いよく座った。
その行動にビクッとエレンが反応し明らかに怖がっているその姿に、リリアはリヴァイがどれだけの事をしたのかがなんとなく分かった。