第3章 #03 エレンの審議
閉まった扉を見つめるリリアとハンジ、ミケ。
不安そうにリリアは息を吐いた。
「じゃあ私達は傍聴席に行くからね。リリアは控室で待っててね」
「うん……ねぇ、やっぱり私も行っちゃダメ?」
「エルヴィンにダメだと言われたろう?怒られるよ?」
「でも…」
するとミケがリリアの頭に手を置いた。
「かなり痛い所を見る事になる。お前にはツラいだろう、やめておけ」
「きっと彼なら大丈夫だよ、リリア。救急箱用意して待っててあげて!」
「……うん。分かった」
じゃあね、と二人は階段を上り二階の傍聴席へと向かった。
リリアもため息をつきながら控室に向かった。
誰もいない部屋の椅子に座り、時間が過ぎるのを待つ。
今どこまで話は進んだのだろうか。
審議の進み具合によると言っていたが、彼に手を出す予定が丸分かりだ。
リリアの手元には救急箱、戻ってきたらエレンを手当てして欲しいとエルヴィンからお願いされている。
おそらくリヴァイが何かしらエレンに手を出すはず。
リヴァイは絶対に加減をしないため、エレンが心配だ。
「エレン大丈夫かな……リヴァイ手加減しないだろうな…」
リリアは手に持っている救急箱を見つめた。
自分もどれだけ救急箱にお世話になっただろうか。
「そういえば、お兄ちゃんに助けられてから使ってないな」
本当に偶然だった。
あの時エルヴィンに出会ったのは。