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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第21章 #21 王政奪還



「リリア兵長、失礼します」
「っ??!!」

ピタリと二人の動きが止まり、固まる。

「は、はい」
「休息中、すみません。こちらにエルヴィン団長はいらっしゃいますか?」

扉の外からかけられた声、どうやらエルヴィンを探しているようだ。しかし今ここでいると答えたら外にいる兵が入ってきてしまう。
それはとてもまずい。


「い、いません」
「分かりました。もし、こちらに来られたらお伝えください。出発の準備を開始しました、と」
「分かりました。伝えます」

遠ざかって行く足音、リリアは深く息を吐いた。

「だそうです、団長。お仕事してきてください」
「……そうだな。俺が休んでる場合じゃないな」

エルヴィンはリリアの服を整えると苦笑いをした。

「すまない。少しだけキスしたかっただけなんだが、驚かせたな」
「あ、謝らないでよ……その……」
「ん?」
「気持ち……良かった」

そっとエルヴィンがリリアを抱きしめる。
とても、とても愛おしくてたまらない。

「兵が止めてくれて良かった。あのままだったら危なかった」
「危ない?」
「……俺も凄く気持ちが良かったから、もっとお前を求めてしまったかもしれない」

リリアの顔がさらに真っ赤に染まる。エルヴィンはリリアから離れると少し乱れた自分の服を整え、立ち上がった。

「さぁ、行ってくる。お前は休んでいなさい」
「はい」

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