第21章 #21 王政奪還
リリアからの返事はなかったが、もう顔は真っ赤になり今にも火が出そうになっている。
エルヴィンはリリアを見つめるとゆっくりと少し震えるその唇に自分の唇を重ねた。
いつものように優しく、何度も角度を変えて啄むようなキスをする。普段ならここで終わるのだが、今回はここで終わらなかった。左腕で肩をグッと後方に引っ張り、リリアをベッドに倒した。
「ひゃっ!?わっ!!んんっ!!」
再び降ってきた優しいキスに段々とリリアの意識がフワフワしてくる。
すると少しだけエルヴィンが離れた。
「リリア、少しだけ口を開けて」
「え?」
言われたまま少し口を開くとそこからエルヴィンの舌が入り込み、リリアの舌を絡めとった。今までに感じたの事ない感覚にリリアの身体には力が入らない。
「ん…う……んんんっ、んぅー!!」
次第に呼吸が出来なくなり、リリアはエルヴィンの胸をドンドンと叩いた。
「ぷっは!!」
「リリア、鼻で息しなさい」
「も、もう無理……」
肩で息をしながらリリアがエルヴィンの体にしがみ付く。
「無理?」
「………うぅ…」
「リリア」
耳元で囁くとリリアの身体がブルっと震える。
「お、お兄ちゃんて、言葉で攻めていくタイプだね…」
「リリアの反応が可愛いからだよ」
そう言うとエルヴィンは再びリリアにキスをした。
口内でお互いの舌が絡み合いどんどん深いものへとなっていく。
口を離すとお互いを透明な糸が繋いだ。リリアの瞳はトロンと、溶けたようになりエルヴィンと視線が合わない。
「ん……あ…」
「リリア、気持ちよくなってきた?」
「え……?わ、分かんないよ……でも…」
「でも?」
「おなか……の、下の辺りが……変」
「そうか」
エルヴィンはリリアの頬を撫でると、再び耳元で囁いた。
「それが、気持ちいいんだよ?」
「っ!?ひ…ん」
二人の唇が再び繋がり、エルヴィンの手がリリアの服の上から胸に触れたその時だった。