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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第21章 #21 王政奪還



「人のためを思ったら今回のクーデターを起こすべきじゃなかったと思ってる?」
「……あぁ」
「お兄ちゃんは今まで何のために調査兵団にいたの?お父さんの仮説を証明するためじゃないの?」
「あぁ、ただ自分の夢のためだけに…やってきた」
「これは私が勝手に思ってる事だけど、お兄ちゃんの夢のための行動はいずれは人類の自由に繋がるものだと私は思っているよ」

エルヴィンがリリアを見つめる。

「その夢のために今までたくさんの命を踏み台にしてきたね……つらいと思う、でもそれはお兄ちゃんの夢のためでもあり、人類のためでもあると……私は考えてる。あ、勿論私はお兄ちゃんのために動いてるけど」
「リリア…」
「いつか責められる時が来るかもしれない。その時は私も一緒に罰を受けるよ。でもきっと、このクーデターは未来に繋がる一歩だったと……私は思ってる。元気出して?ね?お兄ちゃんが元気ないと、私も元気なくなっちゃう」


ようやくエルヴィンの瞳に力が戻った。
心配そうに顔を覗き込むリリアの頭を撫でると再び柔らかく笑い、リリアの肩を抱いてギュッと自分に引き寄せた。
本当にリリアが側にいてくれて良かった、心からそう思った。

「ありがとう、リリア。元気になった」
「本当?良かった」

するとエルヴィンがリリアの耳元で囁いた。

「リリア……キスしていいか?」
「へっ?えっ?あ……え?」

あまりの突然の要求にリリアはエルヴィンから離れた。

「ダメか?」
「あ、いや……改めてお願いされると凄く恥ずかしいんだけど……」
「そうか、言い方が良くなかったかな」

離れたリリアを逃すまいと、エルヴィンが手を伸ばして再び引き寄せるとまた耳元で囁く。

「リリア、キスしたい」

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