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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第21章 #21 王政奪還



「彼らの判断は意外だったかのぅ。ザックレー総統」
「いいや、ちっとも」

ザックレーから先程の報告は誤報だという事が告げられると、首謀者は自分と告げ、ピクシスが前に出た。

彼は調査兵団とは同調していないと告げたが、王政にも同調していない。
ピクシスはエルヴィンと同じ思いを持っていたが、巨人や壁の事に詳しい政府に任せた方が人類の為になると思っていた。
政府がより多くの人類を救えるのなら、エルヴィンを処刑台に送ってもいいとも思っていた。場合によっては自分達も首を差し出す覚悟もあったのだ。


しかし、先程の言葉でピクシスは答えを出した。


王政よりも自分達の方が多くの命を生かせる、と。

しかし貴族らは引かなかった。
民衆は王に傅くのみで地方の貴族も黙っていないと返してくる。

「どうやら理解しておられぬようですな、これはただの脅しではない、クーデターじゃ」

するとアンカがザックレーに中央憲兵の制圧を完了した事を伝えに戻ってきた。
ザックレーが貴族達をジッと見据える。

「兵というのは時に王より上官に従うものでな」

すると今まで黙っていたエルヴィンが口を開いた。

「そもそも偽の王であればなおの事、我々は真の王を立てるつもりです」
「こんなっ!詐欺のような事がまかり通ると!!」

「これが本当に非常時だったなら、貴方がたの先程の判断こそ、人類憲章第六条違反、さらに、偽りの王を立て、政治を私した事を加えれば極刑に値するかと」

エルヴィンのこの言葉で全ては終わった。

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