第21章 #21 王政奪還
ピクシスが視線をアンカに向ける。
それに気付いたアンカは急ぎ謁見の間から走り去った。
貴族達は慌てながら話をまとめていた。しかしその内容は住民の事など何も考えていない、自分達優先な事ばかり、ウォール・シーナさえ残ればどうにでもなるという事だ。
「やるしかない、扉を塞ぐんだ!」
「待て!」
「待ってたら手遅れだ!!」
ナイルはふとエルヴィンの言葉を思い出した。
"選ぶのは誰だ、誰が選ぶ"
「何をしている!!早く動け!!王政への反逆罪となるぞ!!」
"選ぶのはお前だ"
「……出来ません!!」
ナイルはその命令を断った。
そう、選んだのだ。"ナイル"が。
「俺はウォール・ローゼの人間だ!扉の閉鎖は阻止させてもらう!!」
「貴様ぁぁ!!」
「私も加勢しよう」
そう言ってたくさんの兵士を連れ入ってきたのはダリス・ザックレー総統だった。