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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第21章 #21 王政奪還



「では、陛下の名の下、判決を言い渡す。エルヴィン・スミス、リリア・スミス両名、人類憲章第六条に違反ありと認め、死刑に処す。これは即時執行されるものである。連れて行け」


判決が言い渡されると、兵士がエルヴィンとリリアを立ち上がらせる。

(これでいいのか?!エルヴィン!!お前…これで……)

立ち上がったエルヴィンは、何故か笑みを浮かべていた。

と、その時だ。
バァンっと勢いよく後方の扉が開いた。飛び込んできたのはピクシスの副官、アンカだった。
皆がアンカを見つめる。一体、何があったのか、と。

「ウォール・ローゼが……突破されました!!!」
「なっ……!?」

「突如出現した超大型巨人、および鎧の巨人によってカラネス区の扉は二つ共破壊されました!現在、東区より避難する住民が押し寄せてきています!」

するとピクシスが素早く指示を飛ばす。
退避経路の確保と、駐屯兵団の前線部隊を東区に集結させ、住民をウォール・シーナに誘導するように、と。
しかしその指示に貴族達があり得ない言葉を発した。

「ダメだ!!ウォール・シーナの扉を全て閉鎖せよ!避難民を何人たりとも入れてはならんぞ!!」

ナイルが耳を疑う。
彼は今、何と言った?

「はっ?そ、それはウォール・ローゼの住民を…人類の半数を見殺しにするとのご判断でしょうか」
「先程その者が言った通り、内戦が始まるだけだ!!中央政府が機能しなくなる恐れもある!そうなれば終わりだ!!」

「し、しかし!!それはあくまで可能性の話では…」
「その可能性があるのが重大なのだ!我々は最上位の意思決定機関であるぞ!さっさと動かぬかっ!!!」

リリアが小さく笑った。
あぁ、ボロが出たな、と。

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