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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第21章 #21 王政奪還



「エレンはウォール・マリア奪還に必要な存在です」
「それを決めるのは調査兵団ではない!エレン・イェーガーは未知の力を秘めた巨人だ!!壁の内側に置く事はそれ相応のリスクを伴う。それを一兵団の団長に管理させる方がおかしいだろう」

「だが、君は自分の考えに固執した。そして誘拐を装いエレン・イェーガーを隠匿したのだ。関わったディモ・リーブスの口を妹のリリアを使って封じてな。これはもはや反逆だ。今や君達兄妹こそが人類の脅威となっているのだよ」

エルヴィンがグッと貴族達を見据える。リリアも下を向いてはいたが、視線だけは貴族達に向けていた。
すると一人がピクシスに声をかける。

「ピクシス司令」
「ん?」
「駐屯兵団と調査兵団は前線で命を張る者同士、親密な関係を築いておったようだが?」

「我々が調査兵団に同調すると思われるのは心外ですな。
人同士の殺し合い程、愚かな話はない」

ピクシスは、この狭い人の世に一度火を放てば燃え尽くすまでに時間はかからない、先のトロスト区防衛戦においてはそう兵士に言い聞かせ、大いに死んでもらったと、調査兵団がその火種となるなら、今のうちに消すべきだと答えた。

その言葉にナイルが目を見開く。
まさかピクシスがそのような事を言うとは思わなかったようだ。

「何より、巨人が壁を破ってきた際、人があまり残っとらんようじゃ、巨人に呆れられてしまいましょうぞ」
「ふっはっ!!」

貴族に笑われたが、その笑いを堪え、ピクシスの答えに納得したようだ。

「よろしい、では協議に入る」
「陛下、よろしいですな」

王は何も反応を見せなかったが、貴族達はエルヴィンとリリアの判決を話し合い始めた。
もう二人の判決が下される、ナイルは焦った。


(エルヴィン!このまま終わらせるつもりか!?)


ピクシスは目を閉じたままだ。
エルヴィンとリリアも黙ったまま、ただその時がくるのを待った。
そしてついに話し合いは終わり、二人に判決が下される時がきた。

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