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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第20章 #20 選ぶのはお前だ



一方その頃、エルヴィンの方にもゲラルドが尋問をしに牢へ訪れていた。

「待たせてすまなかったな、エルヴィン。早速だが尋問を始めさせてもらう」

ゲラルドを厳しい瞳で見つめるエルヴィン、ゲラルドはチッと舌を打った。

「兄妹揃って腹の立つ目付きだな……。なぁ、エルヴィン」
「………」
「顔のキレイな女が苦痛に表情を歪ませるのを見るのは、結構快感だな。痛そうに声をあげていたぞ、可哀想に。まぁ、そんな事はどうでもいい。始めようか」





時間が過ぎ、ナイルは次にエルヴィンの元へ足を運んだ。
やはり彼も尋問中に殴られたのか、左の目が腫れ上がり、ボロボロになっていた。

「なんてザマだ。この間、俺に偉そうに説教たれといて」

エルヴィンの元へ近付くと、ナイルは膝を着き耳元で呟いた。

「王への謁見が決まったぞ。そこで調査兵団の解体とお前達の処分が下される流れだ」

ナイルの声にエルヴィンが閉じていた目をゆっくり開く。

「ナイルか…」
「お前ら兄妹は本当に……」
「リリアは大丈夫か?」
「大丈夫じゃない。お前より酷いよ。頭からは血が出ているし、腹も顔も殴られて…肩も外れて放置された状態だった。相当痛かっただろう。しかし俺には何も出来なかった……すまん」

そうか、と小さく返したエルヴィンは、ナイルを見上げ再び口を開いた。

「お前の家はどこだ。ストヘス区だったか?マリーは、お前の家族は元気に暮らしているのか?」
「元気に暮らしている。子供達もマリーも、最近は帰れていないが…場所はウォール・ローゼ東区だ」

「……そうか」
「何なんだ、この質問は!」
「ピクシス司令にある事を委ねた。もしその時がくればだが…その時俺はただ見ている。選ぶのはお前だ、そして彼らだ」

エルヴィンが何を言っているのか、ナイルには意味が分からなかった。
これからこの兄妹は何をしようとしている、何が起ころうとしているのだろうか。

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